映画【天空の蜂】情報・キャスト
監督: 堤幸彦
138分
主演俳優・女優
江口洋介
注目の俳優・女優キャスト
仲間由紀恵、綾野剛、光石研、佐藤二朗、カゴシマジロー、やべきょうすけ、永瀬匡、松田悟志、石橋けい、手塚とおる、落合モトキ、松島花、田口翔大、池澤巧貢、木村聖哉、前川泰之、森岡豊、山口いづみ、半海一晃、藤井尚之、林田麻里、岡田浩暉
映画【天空の蜂】ネタバレあらすじ
1995年八月、愛知県小牧市の錦重工業の格納庫から、航空自衛隊に納入される予定だった巨大輸送ヘリ・ビッグBが何者かに奪取されました。
その機内には、引き渡し式典を見に来ていた設計者の湯原の息子、高彦が忍び込んでいたのです。
ビッグBは福井県にある高速増殖炉『新陽』上空に、自動操縦でぴたりとホバリングしたのです。
奪取した犯人が政府に対して要求したのは、全国の原発を破壊せよ、という途方もないものだったのですが、その犯人の誤算が高彦の存在でした。
ビッグBを設計したエンジニアとして、孝彦の父親として新陽の現場で見えない犯人と対峙する湯原と、新陽のエンジニアでもあった錦重工の三島はかつての同僚でしたが、この事件に関してはことごとく意見の対立をみるのです。
航空自衛隊の小松救難隊から派遣されたメディックたちは高彦をビッグBの機内から救出するために奔走しますが、前代未聞の作戦に苦悩します。
実は、湯原の家庭は冷え切っており、高彦はそんな父親に語り掛けようとモールス信号を勉強していたのです。
湯原は、上空にいる高彦にライトの光りでかたりかけるのです。
『父さんを信じろ』と。
その救助作戦はギリギリのところで成功し、高彦は無事に助け出されますが、ビッグBが新陽に墜落する危険は変わりません。
地道な警察の捜査から、テロリストの正体が少しずつ解明されていき、追い詰めたかと思われた瞬間、彼:雑賀は車にはねられて即死、手にしていたヘリのコントローラーも破壊されてしまうのです。
ビッグBの燃料はあとわずか、湯原たちは如何にその墜落を防ぐか、というぎりぎりの戦いを強いられることになるのでした。
映画【天空の蜂】の感想と見どころ
テロ事件の裏側に交錯していく複数の親子の姿や、その絆が壊されていった様子、そしてギリギリで踏みとどまり、再生していく様子が克明に描かれています。
湯原は仕事にのめり込んで家庭を顧みず、しかし映画の舞台になった1995年1月の阪神大震災の朝に息子に教えたモールス信号から壊れかけたその関係を作り直すことが出来たのです。
三原は、実は高彦が生まれたときに彼を助けていた、という縁がありました。
臨月の妻を残して出張に出た湯原の留守中に大量出血した妻を病院に運び、その出産へとつなげた、ある意味命の恩人だったのです。
しかし、彼はプライドをもって行っていた原発の仕事がもとで、我が子を失うことになってしまい、それによって妻も亡くなるという悲劇に見舞われていました。
その哀しみに突き動かされるようにしてテロを行う計画を立ててしまったのですが。
助け出された高彦に我が子の面影を見出してふと我に返る、父親の顔をした三島を演じていた本木雅弘さんのお芝居には鳥肌がたちました。
そしてそんな彼らの関係性の結末が、ラストシーンへと結実していく様子には鳥肌が立ちました。
この物語は、1995年に発行された原作で、1995年を舞台にしていましたが。
まるで福島の原発の事故を予想していた、予言の書のような流れにもなっています。
原作を読み、映画を見終わった時には、東野圭吾さんの慧眼に震えたものです。
また、綾野剛さんが演じるテロリスト、雑賀はその正体不明なところや、反社会的な言動を見事に表現されていたと思います。
どうして彼がそういう道を選んだのか、それを解明していった刑事の柄本明さんのお芝居も渋くて素晴らしかったです。
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本木雅弘さんは、この作品で数々の助演男優賞を受賞されていますが、ほぼ同時に公開されていた『日本のいちばん長い日』で演じられた昭和天皇のお芝居が素晴らしく、同一人物に見えません。
ほぼ同時に撮影されていたというのが信じられないですね。
是非ご覧いただきたいです。